旅行・地域

2017/09/10

音の細道2017秋~松本(7)



街の成り立ちをざっとでも知りたければ地元の博物館を訪ねるのが一番。ということで最後は「松本市立博物館」へ。入館料 200円。


音の細道2017秋~松本(7)



松本にはホールが3つもあってこれにも驚くが、一方で博物館もやたらと多い。人口 24万の都市規模としては断トツだ。

松本市立博物館、旧開智学校、旧制高等学校記念館、考古博物館、時計博物館、歴史の里、山と自然博物館、松本民芸館、安曇資料館、ほかにまだまだ……



博物館といえば人知れずひっそり施設があって、一部のオタクのような人しか出向かない、そしてそのカビ臭い屋内を陰気臭く巡るというイメージが当たり前になっている。

が、そこを松本では、街ごと【屋根のないまるごと博物館】にしようとの構想をぶちあげた。どういうことかといえば、それぞれをバラバラな点として終わらせることなく、点から線、線から面へと繋げていって、いっそ街全体をまるごと博物館にしてしまおうというのだ。おそらく過去を箱のなかに閉じ込めるだけではおもしろくない、発展がないからむしろ今ある暮らしともっと関係づけていく、そこから未来に繋げていく、そういった時空を越えた発想なのだと思う。「箱モノ」から「活動」へのシフト。


この遠大な構想を、よくある言いっぱなし、掛け声だけの美しい絵空事に終わらせないのがまたいい。情報提供はもちろん交通も含めてこれらをネットワーク化していく取り組み、それを市民と一緒になって本気で前へ進めようとしている。


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それにしてもこの力の入れようはいったい何なんだろう、どこから来るのだろう。いろいろ考えるのだが、そこはやはり歴史を大事にする風土、モノよりコトを大事にする心、つまり、何より「人」を大事にする営みを重ねてきた素地・気風があるのだろうということしか考えられない。



◾松本まるごと博物館構想友の会

平成12年、松本市は市内の各博物館と地域の自然環境や文化遺産を結び、これらをひとつの博物館としてまとめた「松本まるごと博物館構想」を策定しました。

わたしたちは、この構想を実現し、市民の生涯学習をさらに推進するため《松本まるごと博物館友の会》を設立し、次の活動を行います。

・自分たちが暮らす松本の良さを発見し、先人たちが残した知恵や暮らしを未来へとつなげる学習と交流の場をつくります。

・学習したことをもとに、講演会や展覧会を共催し、会報や報告書の発行をとおして地域に還元することで、松本まるごと博物館の充実と発展を図ります。

・松本市立博物館をはじめとする市の博物館をよりどころとし、教養と親睦を深め、文化伝承の場とし、連携を保ちながら活動します。

 博物館が好きな皆さん、もっと松本を知りたい皆さん、わたしたちとご一緒に友の会で夢多き新しい博物館づくりに楽しい汗を流し、知恵をしぼっていただけないでしょうか。


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最近ようやく政治でも「モノづくり」ばかりでなく「次代を担う人づくり」の大切さが強調されるようになった。しかし、言葉が先行するばかりで実際にはあまりはかばかしくは進んでいない。


松本は、古くあの戦国時代に小笠原氏が甲斐武田氏に敗れて一旦この地を追われた。すると「武」のチカラにはどうしたってかなわない。ならばペンは剣より強しで「文」をたてるしかない。今に続くさまざま教育文化への熱意というのは、どうやらその辺から始まっているような気がするのだがどうだろう。


◾「松本まるごと博物館」~はじめに~松本市HP
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/shisei/matidukuri/marugoto/maruhaku_00.html


そんなことに想いを馳せられるだけでもつくづく来てよかったと思えるそんな旅であった。そして「地方の時代」と言われてこれも久しいが、本当にそんな時代がもうすぐ間近に来ているぞと心底実感させられる旅でもあった。



最後、定番の「松本城」、正面からだけでなくぐるっと一巡り、今回は裏側(北側)からも眺めてみることにした。このお堀端では、セイジオザワ・松本フェスティバルのオープニングイベントとして夜に市民の大合唱が響いたという。


音の細道2017秋~松本(7)


そのお堀をよくみると白鳥が2羽、何事もなかったかのようにスイスイ羽根を休めている。今度はあんなにノンビリしながらまたゆっくり訪ねてみたいものだなと思いながら駅へ直行、ホームに待つ新宿行き「あずさ」に乗って駆け足1泊2日の旅を締めることにした。


音の細道2017秋~松本(7)

音の細道2017秋~松本(7)



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2017/09/09

音の細道2017秋~松本(6)



旧開智学校。現存する日本最古の小学校。松本の教育のあゆみが分かるというので行ってみる。


音の細道2017秋~松本(6)



昭和30年代まで使われた校舎を移築保全、内部もそのままの姿で再現。教室をテーマ別の展示室にしていて全部まわってみたがおもしろかった。


まず、階段や廊下、教室の机・椅子、すべて木だ。当然とはいえ、自分が小学校に入ったときもギリギリまだこんなだったからえらく懐かしい。


音の細道2017秋~松本(6)



この校舎を設計したのが、なんと独学で西洋建築を学んだ松本の大工さん。そして建設経費の7割は地域住民の浄財寄付だという。


音の細道2017秋~松本(6)



このピアノもちょうど100年前のもの。まだせいぜいオルガンでピアノは珍しく超高額だった時代、これも地元有志から寄贈されたというから、教育にかける住民の熱い想いが伝わってくる。


音の細道2017秋~松本(6)

音の細道2017秋~松本(6)


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さまざま遺された資料に目を通すと、この地方の教育をめぐる歴史、特に郷土教育のありかた、中央との確執、戦前戦後の混乱、……いろいろな難しい時代をくぐり抜けてきたんだなということが分かってくる。


もうひとつ、松本には昔から商家や工場が多かったから、小学校にも通えぬまますぐ働きに出る子供たちが遠く山を越えて大勢やって来た。あの「野麦峠」もそんな話だ。

丁稚・女工・子守、そうした子供たちにも等しく機会を与えようと旦那衆は学校を開いた。子守学校もそのひとつで、彼女らがそれに感謝する作文が展示されていた。拙い字にかえって想いが表れていてグッと迫るものがあった。


ここを出ると隣接する現在の開智小学校、どこの教室だろう遠くから合唱が聴こえてきた。それが「島唄」で上手い!ウィーン少年合唱団のような透き通る声で思わず立ち止まって最後まで聴いてしまった。


松本は多くの個性的な人材を輩出している。このあと、バスに乗って旧制松本高校と信州大学をまわってみた。そうか、よくいわれる進取、自治独立の気風はこんなところから育まれていったのか、実際そこに立ってみることで少しだけ気配らしきものを感じとることができた。



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2017/09/08

音の細道2017秋~松本(5)



松本市美術館へ。駅から歩いて15分なのがいい。それが門を入って驚いた。この大胆なデザイン……こんなのは初めてだ。


音の細道2017秋~松本(5)



それにしてもこの水玉模様……と思ったらやっぱりそうだった。草間彌生だ。ここ松本の出身だという。



館内は親子連れでいっぱい。なんだろうと思ったら、なるほど今はこの展覧会をやっていた。「山本二三展」


音の細道2017秋~松本(5)



中庭で休むと柔らかな風が吹き抜けて気持ちがいい。親子連れもゆったり過ごしている。なかには芝生を跳ねまわったり大の字になって寝っ転がってる子もいる。


そんな様子をみながら一服していると、そうか、美術館というものの必要以上に偉そうで堅苦しかったイメージを、こうしてもっと身近なものにしようとしてるんだなというのが分かってきて、こんな環境で育っていける子供たちがなんだか羨ましくなった。


音の細道2017秋~松本(5)



玄関を出て最後もう一度あたりを見まわす。最初は度肝を抜かれたこの外観も、なるほどこうしてみると自由で伸びやか、これはこれでピッタリなんだなと思った。どうやら松本は子供を大事にしてるらしい。はて、どんな教育でやってきたのだろう知りたくなってくる。


音の細道2017秋~松本(5)



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2017/09/07

音の細道2017秋~松本(4)



松本の中心部を東西に流れる「女鳥羽川(めとばがわ)」


音の細道2017秋~松本(4)



写真でも少し見えるが、この川に沿ってすぐ裏手にある「縄手(なわて)通り」。古い面影を残して今も賑わっている。細い道だからクルマも入らず人々がゆったり往来してるのがいい。沿道には懐かしい遊び道具やら地域の伝統食材やらの店が並んでいて眺めるだけでも楽しい。


音の細道2017秋~松本(4)



松本城にもほど近いこの川に沿ったエリアは、ほかにも移築される前の旧開智小学校があったり、この「四柱神社」があったりするから、どうやら城下にあって人々の拠り所、大事な場所だったらしい。


音の細道2017秋~松本(4)



この日は好天に恵まれ、気温もほどよくカラッとしていて快適だった。店という店もエアコンはつけていなかったからもう秋の入りということだったのかもしれない。そんなこともあってか高原に囲まれたここ松本、なんだか爽やかな北海道の夏を思い出した。



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2017/09/06

音の細道2017秋~松本(3)



松本ぶら歩き、次は「中町通り」。ここは都心部、銀行などビルが建ち並ぶ本町通りからすぐ東に入ったところにある。

古くから商店が軒を並べ町人で賑わっていたという。大火の経験を教訓にナマコ壁の土蔵にした街並みが今も引き継がれていて、歩いているとゆるり時代を感じる。


音の細道2017秋~松本(3)



これは「蔵シック館」。古い造り酒屋だったものを今はコミュニティスペースとして活用。展示・イベント・講座など気軽に利用できるよう開放している。組み木で造られた天井の高さに驚く。


音の細道2017秋~松本(3)

音の細道2017秋~松本(3)



そして、さらに通りをぶらぶら歩くと向こうに人だかりが。近づいてみると蕎麦屋だ。信州は蕎麦がうまい。松本には老舗の蕎麦屋がたくさんあってどこも賑わっている。


音の細道2017秋~松本(3)


こうしてみると、松本の人たちはやっぱりずいぶん歴史を大切にしているんだなというのが分かってくる。調べてみたら商業・観光ばかりでなく、農業・工業も盛んでどうやら支える経済が強いらしい。



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2017/09/05

音の細道2017秋~松本(2)



松本の街なかをぶらぶら、いろいろあっておもしろい。人口24万でこの文化度、写真のほかにもレアなオーディオ専門店などもあったりで、こだわりのある個性的なところが多くてなんだろう嬉しくなってしまう。



音の細道2017秋~松本(2)

「ラジオ博物館」
真空管の初期のラジオから昭和のトランジスタ、……よりどりみどり、なんでもそろえて見せてくれる



音の細道2017秋~松本(2)

「音楽社」
なんだろうと思ったら楽器屋。ヴィンテージものから修理一切まで、こだわりの専門店



音の細道2017秋~松本(2)

「スズキメソード音楽院」
松本はあのスズキメソード発祥の地だ。チビッ子がバイオリンを持ってなにげに歩いてたりもする。



と思ったら、こんな風景にも出くわした。


てっきり犬かと思いきや、これがなんと猿!


音の細道2017秋~松本(2)


いやあ、長く生きてきたがお猿さんのお散歩は初めてであった。



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音の細道2017秋~松本(1)



特急あずさに乗って2時間ちょっと、信州松本へ行ってきた。


車窓からは見事な刷毛雲、そして実りの田んぼ、そろそろ秋の入りだなという気配になっている。


音の細道2017秋~松本(1)


松本駅に到着すると、なんと駅員がお出迎えしてくれた。おもてなしの心が嬉しい。


音の細道2017秋~松本(1)


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その足で歩いて15分、「まつもと市民芸術館」へ。小澤征爾音楽塾オーケストラを聴く。


音の細道2017秋~松本(1)

音の細道2017秋~松本(1)



これがみんな若い。その彼らがまず楽器ごとに現れて茶目っ気たっぷりアンサンブル。会場は陽気に誘われて笑いに包まれ手拍子、一気に緊張を解きほぐした。


そしてメインのオペラ、ラヴェル「子供と魔法」が始まる。その若い子たちが舞台とのタイミング、難しいオーケストレーションを神妙に固まることもなく、むしろ愉しんでいるかのようで見事な演奏だった。


最後、客席にいた小澤征爾をみつけて会場は総立ち万雷の拍手。オザワマインドは確かに若者に引き継がれている。この拍手喝采、育ててくれていることへの感謝のように聞こえた。


音の細道2017秋~松本(1)



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2017/07/20

茶目 (2)



函館人のお茶目、サービス精神……



これは花屋のショーウインドウ

なぜかフリフリ人形、大挙勢揃い!


茶目 (2)



涼しげにみんなでフリフリ踊って

……ひととき暑さを忘れる



よく見ると、あ、フラダンスも!

すると………あれ?後ろで見てる人!?


茶目 (2)



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2017/07/19

茶目 (1)



灼熱の函館、道すがらこんなのに出くわして顔がほころんだ

ほんのり茶目っ気ユーモア、海をはさんだ津軽にも似てたり


…………………………


これは函館山の山裾の家


何だろ、何か書いてある


茶目 (1)



………字が読めるらしい!?



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2017/07/18

時間



駅前~おもいでの夏



「市電と少年」

時間



小2で初めてひとりで乗った
………均一25円だった(笑)


…………………………


「函館の妖精~夏」

時間



棒二デパート前に佇む少女
何か想い出そうとしている



デパートといえば彩華も和光も閉店

残るはこの老舗の棒二森屋だけ……


むかし屋上に観覧車があって乗った

海が見えてハシャいだ記憶がある



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