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2018/10/05

距離



ゆうべのこと、札幌で一緒に音楽をやっていたKが、東京への出張ついでにはるばる足を伸ばして訪ねに来てくれた。これが数えてみると、かれこれなんと7年ぶりだったから驚く。これだけの歳月が経とうものなら、お互い姿かたちもずいぶんと変わっていたのかもしれないが、それでも不思議なものでそんな空白もすぐに吹き飛んで、気づけばあれこれ一気に話に花が咲いていた。


あんまり音沙汰がないことでのひょっとして安否の確認かと思ったりもしたが(笑)、まあそうだとしても、とにもかくにも忘れずにいてくれたのだからやっぱりこんな有難いことはない。そしてこの歳になって何を今さらという感じがしないでもないが、よく言われる旧交を暖めるとはこういうことだったかと妙に実感。はてこれは何だろうと思ったりもしたが、まあそれもこれも離れた時間が長かったゆえの感覚だったことだけはどうやら間違いがない。


…………………………


それにしても、距離というのはつくづく不思議だ。今では「空間の距離」だけでないから余計に分からなくなってくる。例えば、30キロ先の羽田空港まで行くより800キロ先の新千歳空港のほうが近かったりする。これは交通が発達したことでの「時間の距離」。以前なら「津軽海峡冬景色」を歌いながらの丸1日がかりだったところが今ではピュン2時間足らずだ。さらに驚くのは10000キロ先の地球の裏側、アフリカにいる知人が日本にいる身内よりも近かったりまでする。これは通信が発達したことでの「バーチャルな距離」。手紙で1週間以上かかったのが今では送信ボタンひとつでなんと1秒だ。


そう考えるとどうやら人の関係、昔ながらの単純な遠近だけでもなさそうなのが分かってくる。江戸時代ならばひとたびクニを出ればそれは同時に今生の別れを意味していた。が、今ではそんな空間的な距離がどうのこうのは、実際もう以前ほどにはあまり意味をなさなくなっていて、こうなるともう遠いか近いかはむしろ人それぞれの想い次第、どうやらもうとっくにそっちにウェイトがかかるそんな時代に入っているらしいのだ。はて、もしやKはそんなことまで示しに来たのか、なんてことを別れて帰りの道すがらに思ったりもするのだった。


…………………………


話は変わって、写真は明けて今朝の道端で見つけた花。あまりに小っちゃくて、それもほとんど誰にも気づかれないような場所にひっそりと咲いている。そんなせいもあってか、こんな近場の足元にいながら今の今までまったく知らなかった。そうかそうか、ごめんなさいねと言いながら少し近づいてどんなかよく見させてもらう。すると、あれ?なんだか恥ずかしそうに一瞬顔を伏せた。やんや、どんだけシャイなんだろう。ただ、人知れずではありながらもしっかりと可憐に命を繋ぐその姿、なんだろう眺めるうちにその真っ直ぐなあまりの美しさにうっとり、暫しそこに佇んでしまった。


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